帯状疱疹

  1. 帯状疱疹とは
  2. 症状について
  3. 治療について
  4. 注意すること
  5. 予防法について

1.帯状疱疹とは

神経・皮膚の炎症性疾患で、身体の中(知覚神経節)に潜んでいた水痘・帯状疱疹ウイルスによって発症します。

はじめて水痘・帯状疱疹ウイルスに感染した時は、水ぼうそうとして発症し、その後は体内にウイルスが潜伏しています。加齢、過労、ストレスなどが引き金となり、ウイルスに対する免疫力が低下すると、ウイルスが活動を始め、神経を伝って皮膚に到達し、帯状疱疹を発症します。

50歳から発症率が上昇し、80歳までに3人に1人が帯状疱疹を経験すると推定されています。

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2.症状について

身体の左右どちらか一方にピリピリとした痛みと赤い斑点ができ、小水疱が帯状に出現します。痛みは徐々に強くなる傾向があり、眠れないほどの痛みを伴うこともあります。

症状の多くは上半身に現れ、顔や頭にも出現することがあります。耳や目の近くに症状が出ることもあり、耳鳴り、角膜炎、結膜炎や顔面神経麻痺といった合併症のリスクがあります。

辛い症状を早く改善させるため、また合併症のリスク回避のため、早めに治療開始することが大切です。

皮膚症状が治ると神経の炎症も治まってきて急性期の痛みが消えますが、その後も慢性的な痛みが続くことがあり、帯状疱疹後神経痛いいます。これは、「刺すような痛み」、「焼けるような痛み」と表現されるほど辛い症状となることがあります。帯状疱疹後神経痛は、神経の損傷によるもので、皮膚症状が重度の場合、初期から強い痛みを伴う場合や高齢者に起こりやすいため、注意が必要です。

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3.治療について

抗ウイルス薬により、ウイルスの増殖を抑えます。これにより、皮膚症状や急性期の痛みが回復するまでの期間を短縮します。抗ウイルス薬は服用後2日程度かけて効果があらわれます。決められた量と回数を守って服用しましょう。

また、必要に応じて消炎鎮痛薬も併用します。

皮膚症状については細菌による二次感染を起こさないよう、清潔を保つことが大切です。外用薬で治療を行います。

4.注意すること

  • できるだけ安静に
    十分な栄養と睡眠をとりましょう。免疫低下により発症する疾患ですので、無理をせずに、安静を保つように心がけましょう。
  • 乳幼児との接触に注意
    帯状疱疹が他の人にうつることはありません。しかし水ぼうそうに罹ったことのない乳幼児に水ぼうそうを発症させる可能性があります。

5.予防法について

シングリックス菌注用

帯状疱疹を予防する不活化ワクチンです。不活化ワクチンとは、病原性をなくした細菌やウイルスの一部を成分としたワクチンのことです。生ワクチンと異なり、免疫が低下している方も受けられます。

予防効果

50歳以上で約97%、70歳以上で約90%と高い予防効果が得られます。また、帯状疱疹後神経痛の発症を減らす効果も期待できます。
シングリックス®の効果の持続性については、接種9年後にも効果が確認されており、従来から使用されている水痘ワクチン(生ワクチン)よりも長期的な効果が得られると言えます。

接種について

筋肉内に注射をします。
2回接種することで、十分な予防効果が得られます。1回目の接種から2か月あけて2回目を接種します。ちょうど2か月で受けられない場合は遅くとも6か月後までに接種します。

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副反応について

多くの方に注射部位の痛みや腫れが現れますが、これは体内で強い免疫を作ろうとする仕組みが働くためと考えられます。副反応の多くは3日程度で治まります。

接種後に注意すること

  • 接種後30分は安静にし、体調の変化について観察が必要です。
  • 接種当日は激しい運動を避け、注射部位を清潔に保ってください。
  • 入浴しても構いませんが、注射部位を強くこすらないように注意してください。
  • 気になる症状があれば早めに医師にご相談ください。

このワクチンを受けられない方

  • 50歳未満の方
  • 明らかに発熱(37.5℃以上)している方
  • このワクチンと同成分でアナフィラキシーを起こしたことがある方
  • その他、医師が見合わせた方が良いと判断した場合

費用について

1回22,000円(税込)
※東京都港区ではこのワクチンに対する助成は行っておりません。(2021年10月現在)

Q&A

帯状疱疹にかかったことがありますが、このワクチンを受けられますか?
帯状疱疹に罹患すると水痘帯状疱疹ウイルスに対する強い免疫がつきますが、数%の方が再度罹患するというデータがあります。また、一度ついた免疫力は数年かけて徐々に低下すると考えられます。20代~40代の方でも帯状疱疹に罹患している方を拝見していますので、罹患時期とワクチン可能年齢を考慮して、ご検討ください。
水ぼうそうにかかった記憶はないのですが、帯状疱疹にかかる可能性はありますか?
水ぼうそうの症状がはっきり出なくても、ウイルスが体内に入り込んでいる可能性があります。成人の90%以上は水痘帯状疱疹ウイルスを体内に保有していると推測されています。つまり、水ぼうそうにかかったかどうかわからない方も、帯状疱疹を発症する可能性は十分に考えられます。
ワクチンをすぐに受けたいのですが、当日受けられますか?
ワクチンの準備の都合により、一週間程度の余裕をもってご予約をお願いいたします。また、ワクチンについての理解と同意を得られない場合や、接種を見合わせた方が良いと医師が判断した場合は、予定していた接種ができないことがあります。